AはアセクシュアルのA 「恋愛」から遠く離れて
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発行年月 2025年10月
Aro/Aseの本をこれまで何冊か読んでみた感じ、どの本にも書かれているような共通項的な話はなんとなくだけど理解できて、大枠の話をこれ以上本で読んでもなって感じでもあったのだけど、当事者である川野芽生さんの個人の目線の話ということで読んでみた。
まず川野さんの場合若い頃からはっきり自認や社会に対する違和感があったらしく、そうなるとどうしても上に書いたような概要的なわかりやすい話と、それについての恨みつらみのようなメッセージが多く目に入ってきてしまい、自分みたいに明確に自認するほどでもない曖昧な立ち位置でさまよってる人の話を読みたいんだよなと少しなってしまった。
ただそれでも読み進めてみると、そういう微妙な立場の気持ちも包摂してくれるような言葉が多々あって助かった。これだけはっきり自認する人であっても迷いとか曖昧さに悩む場面があるのだなということがわかると、そういうどっちつかずの状態であることに対して「自分そんなはっきり言いきれるもんでもないんで」みたいに卑下というか自分を下に見積もることもないのだよなと思わせてくれるというか。結果読んでよかったと思える本だった。
独身者が「人格に問題がある」とみなされること。
恋愛や性行為をしないと「子供っぽい」「精神的に成熟していない」と言われること。
他者に恋愛的に惹かれない人が「心が冷たい」「感情がない」と貶められること。
他者に性的に惹かれない人が「ほんとうは相手を愛していないのだ」「自分勝手だ」と責められること。
当人の望まない行為(交際や性行為など)を「したくないなんてあり得ない」「してみればわかる」と強いられること。
他者に恋愛的に、または性的に惹かれないという、当人にとってはごく自然な状態が、病気やトラウマの表れだと断定されること。
それが病気でもトラウマの表れでもないと言えば「嘘つき」「自分を客観視できていない」と決めつけられること。
それが自分の性的指向・恋愛的指向なのだと言えば、「マイノリティになりたがっている」「注目されたいだけ」と謗られること。
それらが差別でなくてなんであろう。
( p152~153)